FPSゲームで少しでも有利に立ち回りたいと思ったとき、まず思い浮かぶのが
「足音をしっかり聞きたい」
「敵の位置を正確に把握したい」
というポイントではないでしょうか。
そんな中でよく目にするのが「ハイレゾ対応イヤホンなら音がもっと細かく聞こえて有利!」という宣伝文句です。
しかし実際のところ、ハイレゾ対応イヤホンにすると本当にFPSが有利になるのか? それとも「なんとなく良さそう」に感じるだけなのか……迷ってしまいますよね。
そこで本記事では、ハイレゾ対応イヤホンが本当にFPSゲームで有利なのかを解説します。
結論:ハイレゾ対応だからといって、FPSで有利になるわけではない

結論から先にお伝えすると、「ハイレゾ対応だからといって、FPSで有利になるわけではない」というのが私の考えです。
理由は以下の通りです。
- 多くのFPSタイトルは、ゲーム内の音源自体がハイレゾ音質(96kHz/24bitなど)で作られていない
(音源がハイレゾ対応でなければ下流がハイレゾに対応している意味は殆どない) - 足音の聞きやすさや敵の位置の分かりやすさに効いてくるのは、ハイレゾ対応よりも「チューニング(中高域の出方)」「定位の素直さ」「遮音性」「遅延の少なさ」
- 同じ価格帯なら、「ハイレゾ対応かどうか」よりも、ゲーム向きの音作りや装着感が良いイヤホンを選んだ方が実戦的
もちろん、音楽鑑賞もこだわりたい方にとって「ハイレゾ対応イヤホン」は悪い選択ではありませんが、
純粋にFPSで強くなりたいだけなら、優先順位はかなり低めと考えておくと失敗しにくいです。
FPSゲームで人気のイヤホン5選
ここでは、FPSプレイヤーの間で定番となっている有線イヤホンを5つピックアップしました。
いずれも「ハイレゾ対応かどうか」よりも、
「足音の聞き取りやすさ・定位感・装着感」
といった実用面が評価されており、有名配信者やプロにも愛用者の多いモデルです。
SHURE SE215
エントリークラスの定番として長年支持されているのが「SHURE SE215」です。
音質は中低域に少し厚みのあるバランスで、足音や銃声なども十分に聞き取りやすく、
ケーブル交換ができるので、断線しても本体ごと買い替えにならない点も
「長く使えるゲーム用イヤホン」
として評価されています。

SENNHEISER IE100 PRO
「IE 100 PRO」は、もともとミュージシャンやエンジニア向けに設計されたイヤホンです。
フルレンジのダイナミックドライバを1基だけ使い、
20Hz〜18kHz付近の可聴帯域にフォーカスしたチューニングで、
素直でバランスの良いモニターサウンドが特徴です。
クセが少なく、足音・銃声・VC(ボイスチャット)のいずれも聞きやすいので、
「ゲームも音楽も、自然な音で聴きたい」という人との相性が良いモデルです。
業務利用を想定しているため、耐久性や装着の安定感も評価されています。
final VR3000 for Gaming
final「VR3000 for Gaming」は、その名の通りゲーム/VR向けに音場表現を最適化したモデルです。
制作側の意図した“空間の広がり”や“前後左右の位置関係”を再現することを狙っています。
FPSでは、銃声や足音の方向と距離感の把握しやすさが高く評価されており、
1万円前後の価格帯ではトップクラスのコスパと言われることも多いです。
ゲーム用途だけでなく、アニメや映画の視聴でも没入感を高めてくれる、
万能寄りのゲーミングイヤホンです。
ただし、ケーブル交換に非対応なことには注意が必要です。

HID-Labs DETECT
「DETECT」は、HID-Labsが、対人FPSに特化したゲーミングイヤホンです。
FPSゲームの3Dサウンドエンジンに合わせて周波数特性を調整し、
足音やリロード音といった重要な音が、銃声や爆発音にかき消されにくいようにチューニングされています。
Knowles製BAドライバとAIMTuneモジュールにより、音の方向・距離感がつかみやすいのも特徴。
音楽用途よりも「とにかく索敵性能を上げたいガチ勢向け」の一本と言えるモデルです。
逆に言うと、音楽用途には全く向いていないFPS特化型というかなり尖ったイヤホンです。

SHURE SE846
SHUREのフラッグシップIEM「SE846」は、繊細な情報量と深く沈み込む低音が特徴の高級イヤホンです。
複数のBAドライバとローパスフィルター構造により、
重心の低い低域とクリアな中高域が両立しており、細かな環境音や残響までしっかり描写してくれます。
FPS用途では、音の分離感と解像度の高さが活きて、混戦時でも足音やスキル音を聞き分けやすいのがメリットです。
価格は10万円前後とかなり高めですが、
「音楽もFPSも妥協したくない」というユーザーから根強い支持を集めています。

まとめ
本記事では「FPSにハイレゾ対応イヤホンは本当に効果があるのか?」というテーマで解説してきました。
最後にポイントを整理しておきます。
- ハイレゾ対応そのものが、FPSの“強さ”に直結するわけではない
- 多くのFPSタイトルは、ゲーム内音源自体がハイレゾ前提ではない
- 足音・銃声・スキル音の聞き取りやすさには、
- イヤホンのチューニング(中高域の出方)
- 左右・前後の定位のわかりやすさ
- 遮音性や装着感
-(ワイヤレスなら)遅延の少なさ
といった要素のほうが大きく影響する
そのうえで、
- 音楽鑑賞もガッツリ楽しみたい → 「ハイレゾ対応」もひとつの判断材料になる
- 純粋にFPSで勝ちたい・ランクを上げたい → ハイレゾよりゲーム向きの音作りと装着感を優先したほうがコスパが良い
というのが、私の結論です。
今回ご紹介した
SE215 / DETECT / SE846 / IE 100 PRO / VR3000 for Gaming
のようなモデルは、ハイレゾ対応の有無に関係なく、実際のプレイヤーから評価されている“実戦向きイヤホン”の代表例です。
これからFPS用イヤホンを選ぶ方は、ぜひ
- 自分のプレイスタイル(ゲームだけにイヤホンを使うのか、音楽鑑賞でも使うのか)
- プレイ環境
- 予算との兼ね合い
あたりをイメージしつつ、「ハイレゾ」という言葉だけに振り回されずに選んでみて下さい。
また、スペックにとらわれず、憧れのプロや推し配信者と同じイヤホンを使うのもおすすめです。
以上。本記事の内容がイヤホン選びで迷っているFPSプレイヤーの方の参考になれば嬉しいです。


コメント