ワイヤレスイヤホンでFPSゲームをすると「音ズレ」が気になってプレイに集中できなかったという経験はありませんか?
RPGなどのゲームなら多少音ズレがあってもプレイできますが、FPSはタイミングにシビアなため音ズレは致命的ですよね。
「本当はワイヤレスイヤホンでゲームがしたいのに、音ズレ防止のために仕方なく有線イヤホンを使用している」という方は、本記事の方法でワイヤレスでもFPSゲームがプレイ可能な低遅延環境を構築することができます。
もしよければ、最後までお読み下さい。
ワイヤレスイヤホンで遅延を感じずにFPSゲームをプレイする方法
ワイヤレスイヤホンで遅延を感じずにFPSゲームをプレイする方法は以下の4つが考えられます。
- 2.4GHzドングル付属のワイヤレスイヤホンを使用する
- AptX-LL環境を構築する
- AptX-Adaptiveの低遅延モード環境を構築する
- LC3+環境を構築する
以降にそれぞれの詳細を解説します。
方法①:2.4GHz専用ドングル付属のワイヤレスイヤホンを使用する
この方法が最もシンプルで、特別な機材を準備する必要がないため簡単に環境を整えることができます。
音ズレは汎用の通信規格であるBluetoothを用いることで発生するため、Bluetoothを用いずに専用ドングルを用いて独自の規格で通信する抜本的な方法です。
専用ドングルをセットで販売している商品はAnkerの「Soundcore VR P10」やSONYの「INZONE Buds」が有名ですね。
簡単にセットアップが済むというメリットがある一方、好みのイヤホンを選べないというデメリットもあります。
Anker Soundcore VR P10

SONY INZONE Buds

方法②:AptX-LL環境を構築する
Bluetoothコーデック(Bluetoothの音声圧縮技術)には低遅延を謳っているコーデックがあります。その中で最もポピュラーなのがAptX-LL(Low Latency)というコーデックです。
このAptX-LLに対応したイヤホンとトランスミッターを用意し、AptX-LLで接続することでワイヤレスでも低遅延環境を構築することができます。
AptX-LLの低遅延性能は40ms(1秒の4/100)以下です。
人間が音ズレを感じるのは40ms以上の遅延が発生した場合のため、理論上ワイヤレスでも音ズレを感じずにゲームをプレイすることができます。
ただし、AptX-LLに対応したワイヤレスイヤホンは数が少なく、ワイヤレスイヤホンよりもワイヤレスレシーバーが対応していることが多い印象です。
ワイヤレスレシーバーに有線イヤホンを差し込むことでもワイヤレス環境を構築することが出来ます。好きな有線イヤホンをワイヤレス化できるのは大きなメリットですね。
AptX-LLに対応したレシーバー

AptX-LLに対応したトランスミッター


方法③:AptX-Adaptiveの低遅延モード環境を構築する
AptX-LLには及びませんが、AptX-Adaptiveの低遅延モード(理論値50ms)もほぼ音ズレを感じません。Apex LegendsやValorantも快適にプレイすることができます。
AptX-LLと比較するとAptX-Adaptiveに対応しているワイヤレスイヤホンは数が多いため、イヤホンの選択肢の幅が広いのがこの方法の大きなメリットです。
注意点はAptX-Adaptiveには高品質モードと低遅延モードの2種類があるため、低遅延モードへの切り替えが可能なトランスミッターを選ぶ必要があります。
ちなみに、私は以下の「Denon PerL Pro」と「eppfun LE Audio」の組み合わせを好んで使用しています。
Denon PerL Pro

AptX-Adaptiveの低遅延モードに対応したトランスミッター


方法④:LC3+環境を構築する
最後に、最新の次世代コーデックLC3+に対応したイヤホンとトランスミッターを使用する方法があります。
LC3+はLEオーディオと呼ばれる次世代コーデック群の基本コーデックであるLC3を拡張したコーデックで、低遅延かつハイレゾに対応したコーデックです。
ただしLEオーディオは普及してまだ日が浅いため対応イヤホンが少ないことや動作確認等まだまだ未知数な部分が多いため、今のところは方法①~③を用いることが無難です。
まとめ
今回はワイヤレスでもFPSゲームがプレイ可能な低遅延環境を構築する方法を解説しました。
本記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
- 2.4GHzドングル付属のワイヤレスイヤホンを使用する
- AptX-LL環境を構築する
- AptX-Adaptiveの低遅延モード環境を構築する
- LC3+環境を構築する
LE Audioは普及して日が浅く未知数な面が多いものの、今後は基本的なBluetoothコーデックがLC3+に移行されていくことが予想されるため、近い将来Bluetoothオーディオの音ズレに悩む必要はなくなるかもしれませんね。
方法④のLC3+の項については動向を確認の上、あらためて加筆修正したいと思います。
以上。本記事の内容が参考になりましたら嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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