「PCやPS5でFPSゲームを遊びつつ、音楽や映画もちゃんと良い音で楽しみたい」
でも、ゲーミングDACやオーディオインターフェース、ヘッドホンアンプをバラバラに揃えると、お金もスペースもどんどん奪われていきますよね。
そこで今回紹介するのが、DAC内蔵ヘッドホンアンプ 「Fosi Audio K7」 です。

USBや光デジタル入力はもちろん、4.4mmバランス出力やマイク入力まで備えた“全部入り”の1台
FPS用の足音重視セッティングから、音楽鑑賞向けのリッチなサウンドまで幅広くカバーできるのが特徴です。
結論から先にお伝えすると、Fosi Audio K7は
「3万円前後の予算で、ゲームもオーディオも1台にまとめたい人」
にとってかなりおすすめできる商品 だと感じました。
本記事では、Fosi Audio K7のレビューを執筆します。
もし本製品に興味がありましたら是非、最後までお読みください。
Fosi Audioとは?
まず最初にFosi Audioについて紹介します。
Fosi Audioは、2017年に中国・深圳で立ち上げられた比較的新しいオーディオブランドです。
創業者のRyan Huang氏を中心に、「ハイファイオーディオをもっと手の届く価格で」 というコンセプトを元にアンプやDAC、ヘッドホンアンプなどを世界150カ国以上に展開しています。
公式には、FOSIという名前に
- Foresight(先を見通す視点)
- Openness(ユーザーの声に耳を傾ける姿勢)
- Sincerity(誠実なサポート)
- Innovation(技術的な革新)
といった意味を込めているとされており、ユーザーと一緒に製品を作り込んでいく“共同開発”的なスタンス を前面に出しているブランドです。
さらに最近では、イギリスの音楽チャリティ団体「The Music Works」と提携し、子ども向けの音楽教育プログラムにヘッドホンアンプを提供するなど、音楽×テクノロジーを通じた社会貢献活動 も行っています。
K7のスペック・仕様
次に、K7のスペック・使用の概要を下表に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Fosi Audio K7 Desktop Gaming DAC/Headphone Amplifier |
| チップセット | XMOS XU208 + AKM AK4493SEQ + Qualcomm QCC3031 + TPA6120 |
| 対応インピーダンス | 16〜300Ω |
| 最大サンプリングレート | 【USB】PCM 384kHz/32bit、DSD256まで対応 / 【光】PCM 24bit/192kHz / 【同軸】PCM 24bit/192kHz / 【Bluetooth】PCM 24bit/48kHz |
| 入力 | USB-C、光デジタル(OPT)、同軸デジタル(COAX)、Bluetooth、3.5mmマイク入力 |
| 出力 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、RCAラインアウト |
| Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.0 |
| 対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL |
| Bluetooth到達距離 | 最大約13m(見通し・理論値) |
| 電源 | DC 12V / 2A |
| 対応OS(USB) | Windows 7 / 8 / 8.1 / 10 / 11(ドライバー要) / macOS / Linux(ドライバー不要) |
| 詳細 | Amazon |
スペックだけを見てもXMOS+AKM DACに、4.4mmバランス2.1W出力・低ノイズフロア・豊富な入出力が揃っています。
ゲーミングDACというより“音楽もゲームもいける小型オーディオ機”をデスクに1台置くイメージ
で使えるモデルということが理解できるかと思います。
また、対応インピーダンスが最大300Ωもあり、あらゆるイヤホンやヘッドホンを鳴らせるパワーがあるのがとても良いですね。
実際に使用して良かった点、気になった点
それでは実際に長期間使用していて良かった点や気になった点を紹介します。
良かった点
まずは、良かった点です。
実際に使ってみて「これは便利だな」と感じたポイントをざっくり挙げると、こんな感じです。
- 良かった点①:FPSも音楽鑑賞も楽しめる音質
- 良かった点②:PS5やSwitchにそのまま接続できる
- 良かった点③:豊富な入出力端子
それぞれ、もう少し詳しく書いていきます。
良かった点①:FPSも音楽鑑賞も楽しめる音質

一言でいうと、「ゲーム用途を意識したフラット寄りの音だけど、ちゃんと“音楽用DAC/AMP”としても楽しめるバランス」という印象でした。
まず全体のトーンは、いわゆるドンシャリでもモニター寄りでもなく、ほんの少しだけウォームさを感じるフラット寄りなサウンドです。
足音やリロード音などの細かい音がしっかり前に出つつ、BGMや環境音もちゃんと鳴ってくれるので、情報量は多いのに耳が疲れにくいのが好印象でした。
低域は「ズドン」と主張してくるタイプではなく、必要なときにしっかり沈み込むタイプの低音です。
FPSでは足音のレンジを邪魔しないおかげで、敵の移動・スキル音がBGMに埋もれにくく、音楽ではキックやベースラインが土台として自然に支えてくれる感じですね。

中域は素直で、ボーカルや銃声の「芯」がはっきり聞き取りやすいです。
キャラのボイス、アナウンス、銃声の距離感などがわかりやすく、“声”と“効果音”の層が分かれて聞こえるので、VCをしながらのプレイでもごちゃつきにくいと感じました。
高域は、解像度はしっかりあるのに、必要以上にシャリつかないのが良かったポイントです。
足音の「シャッ」「カツッ」といったアタックはきちんと出てくる一方で、シンバルやハイハットは刺さらずスッと抜けていくので、長時間プレイでも耳が痛くなりにくいタイプだと思います。
音場は“超広大”というより、左右の広がり+ほどよい奥行きで、定位はかなり素直な印象でした。
敵の位置をざっくり把握しやすいので、VALORANTやApexのようなタイトルでも、ミニマップと音で状況を組み立てやすく感じました。
音楽では、ボーカルが真ん中にスッと立って、その周りに楽器がきれいに配置されるイメージです。
総じて、「FPS特化のドライな音」でも「濃厚なリスニング音」でもなく、その中間をうまく狙った万能型という印象ですね。
「ゲーム用に買ったけど、そのままオーディオ用DACとしても普通に使える」
そんな“ちょうど良い音質”に仕上がっていると感じました。
良かった点②:PS5やSwitchにそのまま接続できる
本機はUAC1.0に対応しており、PS5やSwitchにそのままUSB DACとしてつなげることができます。
K7はUSB入力時に本体の「0/UAC」ボタンを短く押すことで、UAC2.0とUAC1.0を切り替えでき、UAC1.0モードに入ると画面上部に「1.0」アイコンが表示されます。
実際にPS5に接続すると、設定画面で「USBヘッドセット」として認識され、そのままゲーム音声とVC音声をK7経由で出せるので、とくに難しい設定は要りません。
Switchも同様に、ドックのUSBポートに挿すだけでUSBオーディオとして動作してくれます。
さらにUAC1.0モードでは、マイク通信にも対応しているのがポイントです。
付属の2 in 1オーディオケーブル(Y字ケーブル)を使って、K7のマイク入力と3.5mmヘッドホン出力にそれぞれ接続すると、ゲーム音を聴きながらボイスチャットも同時に使えるようになります。
良かった点③:豊富な入出力端子

K7をしばらく使っていて一番助かっているのが、「とりあえず全部ここにつなげばいい」というくらい入出力がそろっている点です。
背面には
- USB-C
- 光デジタル(OPT)
- 同軸デジタル(COAX)
- Bluetooth用アンテナ端子
- RCA出力
が並んでいて、PCやPS5、Switchドック、テレビ、アクティブスピーカーまで、デスク周りの音声系をまとめてK7に集約できます。
前面には
- 4.4mmバランスヘッドホン出力
- 3.5mmシングルエンドヘッドホン出力
- 3.5mmマイク入力
がまとまっているので、よく抜き差しする端子は手元側、配線を固定したい端子は背面側という整理が自然とできるレイアウトになっています。
「今日はPCでVALORANT」「今日はPS5でApex」「作業中はスピーカーでBGM」と切り替えても、K7を中心にケーブルが完結するのがかなり快適です
気になった点
次に、気になった点です。
実際に使ってみて「これはイマイチだな」と感じたポイントをざっくり挙げると、こんな感じです。
- 気になった点①:
- 気になった点②:
気になった点①:XLRマイク入力がない
マイク周りで一番惜しいと感じたのが、XLRマイク入力がないという点でした。
K7には前面に3.5mmのマイク入力が用意されていて、ゲーミングヘッドセットや簡易的なピンマイクをつないでVCするぶんにはまったく問題ありません。
「とりあえずDiscordでフレンドと話しながらゲームする」という用途なら十分こなしてくれます。
ただ、最近はストリーマーさんの環境をそのまま真似して、オーディオテクニカやSHUREなどのXLRコンデンサーマイク/ダイナミックマイクを使いたいという人もかなり増えています。
そういった “本格マイク派” の目線で見ると、
- XLR端子がない
- マイク用のプリアンプ/ファンタム電源も非搭載
なので、どうしても 別途オーディオインターフェースやXLRマイク用のUSB機器をもう1台用意する必要 が出てきます。
K7自体は「ヘッドホンアンプ+DAC+簡易マイク入力」という立ち位置なので、
完全にオーディオインターフェースの役割まで期待するのは酷かもしれませんが、
「超高音質なオーディオインターフェースが欲しい!!」
という人にとっては、あと一歩届かない惜しいポイントだと感じました。
とはいえ、3.5mmマイク付きゲーミングヘッドセットや、TRRS対応のマイク付きイヤホンを使う前提であれば問題はありませんし、
「XLRマイクはすでに別インターフェースに任せて、K7は“聞く専用”で使う」という割り切り方もアリだと思います。
気になった点②:暗い部屋で扱い辛い
暗い部屋でゲームをする人には、ここは少し気になるポイントでした。
K7は本体カラーがブラックで、フロントパネルのボタンや文字印字も同系色寄りの落ち着いたデザインになっています。
見た目はとてもカッコいいのですが、部屋を暗くしてモニターの明かりだけでプレイしていると、どのボタンがどれだったかがパッと見で分かりにくい 場面がちょくちょくありました。
常に明るい部屋でプレイする人にとってはそこまで大きな欠点ではありません。ただ、“真っ暗なゲーミング環境”を好むユーザーにとっては、ちょっとしたストレスになりうるポイントだと思います。
まぁ、ゲームプレイ中にアンプを触ることは殆どないので致命的な欠点ではありません。
(むしろボタンが常時LED点灯しているほうがストレスを感じる人も多いかもしれませんね)
まとめ
以上。本記事ではFosi Audioの据え置きゲーミングDACアンプ「K7」を紹介しました。
Fosi Audio K7を一通り使ってみて感じたのは、
「ゲーミングDACとオーディオ用DAC/AMPの“ちょうど真ん中”にうまくハマっている1台」
ということでした。1台でデスク上のオーディオ環境を統合できる入出力端子の豊富さも魅力的です。
以下に商品リンクを掲載しておりますので、本製品の詳細が気になった方は是非、さらなる口コミ等もチェックしてみて下さい。
以上。本記事の内容が少しでも参考になりましたら嬉しいです。

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